トレスチェックコラム
正しいストレスチェックの実施で、職場改善を!
2017/11/25
ストレスチェック制度は、2015年12月から実施を義務付けられました。
その目的は、企業にメンタルヘルス問題と向き合うきっかけを作ることです。労働者のメンタルヘルスの問題は、今や社会問題です。
より働きやすい環境づくりには、ストレスチェック制度を正しく理解することが重要なのです。
ストレスチェック制度とは?
ストレスチェック制度は、2014年6月に>>改正労働安全衛生法で義務化されました。
>>出典 改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について
対象は、50人以上の労働者がいる事業所です。2015年12月から開始され、毎年1回の実施を定められています。対象事業所は、労働者全員に対して実施する必要があります。(契約期間が1年未満、あるいは、通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の労働者は、対象外となります。)
労働者は、ストレスに関する質問票に回答します。その結果を集計、分析し、労働者のストレス状況を調査します。
ストレスチェックの結果は、労働者自身が知ることができます。ストレス状態によっては、医師との面接を通してアドバイスを受けることもできます。この結果をきっかけに、労働者、事業者双方ともに仕事環境を改めることにつながります。また、うつなどのメンタルヘルスの不調を防止する効果もあります。
ストレスチェックは、根本的な職場体制の改善、メンタルヘルス問題の予防に重要な役割を果たすのです。
ストレスチェック実施の手順
~ストレスチェック実施前~
ストレスチェックの実施手段は、様々です。
各事業所ごとにストレスチェックプログラムを用意することも可能です。用意が難しい場合は、>>厚生労働省版ストレスチェックプログラムを利用することもできます。
ただし、これらの手段には注意点があります。プログラムの準備以外にも、労働者と面接、指導する医師や産業医など、人材の確保が必要な点です。
ストレスチェックは、多くの機関、人との連携を持って初めて成立します。
実施において、綿密な計画を立てておくことが大切です。
ストレスチェックプログラムの導入方法が決まったら、事業所で衛生委員会を設置します。そこで、ストレスチェックの実施方法について話し合います。
以下の図の項目について、決定する必要があります。
>>出典 改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について
衛生委員会で決定した内容は、全労働者に告知します。その上で、実施体制を整え、役割分担をしていきます。
ストレスチェック実施の際に使用する質問票は、決められた質問項目があれば、指定はありません。>>厚生労働省が推奨する質問票を使用することもできます。
質問票で必要な項目は、以下3つです。
① ストレスの原因に関する質問項目
② ストレスによる心身自覚症状に関する質問項目
③ 労働者に対する周囲のサポートに関する質問項目
~ストレスチェック実施後~
>>出典 改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について
回答済みの質問票は、ストレスチェック実施者(医師など)が回収します。この時、第三者や人事権を持つ職員が回答済みの質問票を閲覧しないように注意しましょう。回収、評価ともに実施者が行い、高ストレスで医師の面接指導が必要な労働者がいるか、チェックしていきます。
高ストレス者とは、ストレスの自覚症状が一定以上あり、ストレスの原因やサポート環境が悪い人のことです。医師の面接指導の必要性の有無に関しては、実施者から本人に直接通知します。事業所に労働者のストレスチェック結果が通知されることはありません。
結果は、ストレスチェック実施者によって保存されます。労働安全衛生法の第66条の10にあるように、事業所は、労働者本人の同意があってのみ、結果を知ることができます。
~面接指導が必要と判断された場合~
医師による面接指導が必要な場合、結果の通知後、1ヶ月以内に労働者から申し出をする必要があります。
事業所は、面接指導後、面接指導をした医師から高ストレス者に就業上の措置が必要か、確認しましょう。医師から助言をもらうのも、面接指導から1ヶ月以内であるため注意しましょう。
面接指導の結果は、記録を作成し、事業所で5年間保存しておきます。
記録内容には、以下5点を含みましょう。
・実施年月日
・労働者の氏名
・面接指導を行った医師の氏名
・労働者の勤務状況、ストレスの状況、その他心身の状況
・就業上の措置に関する医師の意見
また、職場分析や職場改善のため、ストレスチェックの実施者に結果を集計・分析してもらいます。
集団ごとに集計・分析された結果を平均値から比較することで、ストレス状況を把握することができます。結果をもとに、職場環境の改善を進めましょう。
ストレスチェック制度では、労働者個人の情報を適切に保護する必要があります。
ストレスチェックの内容や流れをしっかりと把握した上で実施しましょう。
まとめ
ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
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