ストレスチェックコラム
取締役は対象者になるのか?取締役のストレスチェック義務について
2018/10/12
メンタルヘルスの不調を訴える労働者が増えたことにより、行政は企業にストレスチェックを行うことを義務付けました。目的は労働者のメンタルヘルスの不調を未然に防ぐために行われます。
そんなストレスチェックですが、会社を代表する取締役相手にも行う義務があるのでしょうか。
ストレスチェックの対象に取締役が該当するのか、詳しい内容を解説していきます。
取締役にはストレスチェックを行う義務はない
結論からいうと、会社を代表する取締役には、ストレスチェックを行う義務はありません。ストレスチェックの対象者としては、労働者安全衛生法が労働者だけを対象とする内容であるため、使用者である取締役にはストレスチェックを行う必要はないとされています。
ただ労働者ではないから、ストレスがないという訳ではないので、解釈を間違えないようにすることが重要です。
取締役の意思でストレスチェックを行いたいという場合には、ストレスチェックを行うことが可能なので、取締役だからストレスチェックは必要ないと判断せずに、ストレスチェックを行う必要性はあることは覚えておく必要があります。
ストレスチェックの対象とは?
基本的にストレスチェックの実施が義務付けられているのは、労働者が50人以上いる事業所に対してです。
週に労働時間が40時間を超える働きを行っている者であれば、正社員だけでなく、パートやアルバイトもストレスチェックの対象となります。
労働者が対象であるため、常時使用する労働者にはストレスチェックを与える義務があるので、誰かを例外にすることはありません。
派遣社員の場合は、派遣元の会社がストレスチェックを行う義務があるので、派遣先は対応する必要がないケースもあります。
役員でもストレスチェック実施の義務を受けるケース
使用者である役員は、基本的には労働者としては認識されないため、ストレスチェックを行う義務は生じません。
しかし、状況によっては役員でもストレスチェック実施の義務を受けるケースがあります。どんなケースなのか、詳しく解説していきます。
1.使用人兼務役員
労働者として働きながら取締役を担うなど、役員であっても労働者としての側面があれば、ストレスチェックを受ける義務はあります。
少しでも現場で作業を行っていて、労働者として人数に入っているのであれば、労働者とみなされるため、取締役といっても他の労働者と一緒にストレスチェックを受けるようにしましょう。
2.会社からの拘束性が高い
取締役などの役員であっても、勤務先や勤務時間を指定され、勤怠管理の対象である場合は、会社からの拘束性が高いと認識されることから、労働者としてストレスチェックの対象となることがあります。
役員という名目でも、働き方が労働者と全く一緒であれば、ストレスチェックを受ける義務が発生するので、どのような勤務形態になっている確認する必要があるでしょう。
3.職務内容が労働者と同じ
役員という名称がつけられていても、職務内容が労働者と一緒であれば、労働者とみなされてストレスチェックの対象になります。
どのような状況で職務を行っているのか、労働者か使用人かを判断するには、職務内容が反映されるので、労働者と同じ職務内容であれば、ストレスチェックを行う義務が発生するでしょう。
まとめ
会社を代表する役員である取締役ですが、基本的には使用人として扱われるため、ストレスチェックを行う義務は発生しません。
しかし、労働者と同じ勤務形態であったり、職務内容が労働者と一緒であれば、ストレスチェックの対象になります。
また取締役だからストレスチェックを受けなくてもいいのではなく、義務が生じないだけなので、ストレスチェックを任意で受けることは可能です。
ストレス度が高いと感じたのであれば、ストレスチェックは受けるようにした方がいいでしょう。
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