ストレスチェックコラム
簡易版のストレスチェックでも厚生労働省の規定を満たしているのか?
2018/10/12
50人以上の労働者がいる事業場では、ストレスチェックを行うことが義務付けられるようになりましたが、中には簡易版のストレスチェックで、ネットからでもストレスチェックを行う方法もあります。
そんな簡易版のストレスチェックでも、厚生労働省のマニュアルの中に記載している必要事項の内容を満たしているのでしょうか。
厚生労働省が定めるマニュアルの中の必要事項の紹介をしつつ、解説を行っていきます。
厚生労働省が定める必要事項の決まり
そもそも、ストレスチェックを行う上で、どのような決まりがあり、どのような手段が許されているのでしょうか。
厚生労働省が定めるストレスチェックにおける必要事項について、具体的に8つの内容が取り決められているので、どんな内容なのか詳しく解説していきます。
1.誰がストレスチェックを実施させるか
まず基本的に、誰がストレスチェックを行うのか定める必要があります。その中で厚生労働省のマニュアルにあるのが「ストレスチェックの実施者」と「ストレスチェックの実施事務従事者」がストレスチェックを実施する義務があるのです。
実施者は医師や保健師といった労働安全衛生法に詳しい人材を選任する必要があり、実施事務従事者は基本的に誰でも問題ありませんが、人事権を持たない人材である必要があります。
2.いつストレスチェックを実施するのか
次にいつ実施するのかを定める必要があります。基本的に労働者にストレスチェックを実施する旨を伝えて、医師による面接、実施結果の分析が完了するまでは2ヶ月を有すると言われているので、計画的に進めていくことが重要です。
実施前には衛生委員会で実施体制や実施方法を定める必要があることが厚生労働省のマニュアルにあるので、準備期間のことも考慮した上で実施日を決めましょう。
3.どんな質問票を使って実施するのか
質問票の内容は、厚生労働省が定める57項目の質問票を用いることが推奨されていて、内容はHPからダウンロードすることが可能です。
中にはマニュアルに沿って、独自の質問票が作成されているサービスもあり、簡易版のオンラインでストレスチェックを実施することが認められています。
4.どんな方法で高ストレスの対象者を選ぶのか
ストレスチェックの結果を持って、衛生委員会が調査審議を行い、高ストレス者を選定します。この時に重要なのが何点以上の人が高ストレスの対象として認められるのではなく、あくまで数値を参考にするということです。その中で実情に合わせて事業者が高ストレス者を選定する決まりになっています。
5.面接指導の申し出は誰に行うのか
高ストレス者として判定された場合、どこに面接希望の申し出を行うのか事前に決めておく必要があります。一般的には人事や総務の担当者が窓口になることが多いでしょう。
6.面接指導はどの医師が担当するのか
ストレスチェックを行う上で、結果を基に面接指導を行う産業医師を事前に決めておく必要があります。高ストレス者にストレスの要因や対処方法、セルフケアを助言し、事業者には状況によって職場環境の改善を求めることを担当医師が行うので、事業場の内情をある程度理解している方が担当することが望ましいでしょう。
7.集団分析の方法
集団分析とは、部署やチームごとにストレスチェックを行い、どこにストレスの要因があるのか特定する役割があります。分析ツールを用いて、簡易版のストレスチェックを行うことも可能です。
8.結果は誰にどのような方法で実施するのか
ストレスチェックの結果は、実施者が保存することが望ましいとされていて、労働者の同意によっては事業者に結果の記録が手渡されます。結果は5年間保存することが望ましいとされているので、安全に確保しておくことが重要です。
厚生労働省のマニュアルにおいて簡易版のストレスチェックは認められている
厚生労働省のマニュアルには、8つの必要事項が記載されています。この内容が全て満たされている内容であれば、簡易版のストレスチェックが認められているので、簡易版を用いてストレスチェックの手間を省くことが可能です。
簡易版のストレスチェックには、厚生労働省が無料で提供している分析ツールもありますが、使いやすく管理を行う観点から「こころの保健室」を利用することをおすすめします。
ストレスチェック義務化に完全対応しているので、労働者のメンタルヘルスの管理を一任したい場合は、ぜひご利用ください。
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