ストレスチェックコラム
ストレスチェック制度を交えた衛生委員会が決めるべき審議事項のテーマ
2018/10/12
50人以上の労働者がいる事業場では、毎年1回はストレスチェックを行い、結果を報告する義務が課せられています。その中で企業に設置する必要がある衛生委員会は、どのような審議事項のテーマを定めることが重要なのでしょうか。
ストレスチェックにおける衛生委員会の役割を踏まえて、詳しい内容を解説していきます。
衛生委員会とは?
50人以上の労働者いる事業場では、衛生委員会を設置する義務が課せられます。衛生委員会を設置するのは、委員の構成や運営の仕方、審議する事項について定めることが目的です。
規定を決めた後は、どのような内容を定めたか労働基準監督に提出する義務があるので、衛生委員会で決まったことは忘れずに報告しておくことを覚えておきましょう。
また衛生委員会は毎月1回以上開催する必要があり、開催時期は担当の産業医師が訪問した際に実施することが一般的です。
衛生委員会を開催した時には、議事録を必ず作成する必要があり、記録は3年間の保管が義務付けられています。その中で産業医師が必要に応じて議事録への記名捺印を行う必要があるので、産業医師が衛生委員会の場にいない時は、情報を共有できるようにしましょう。
衛生委員会が決める審議事項のテーマ
衛生委員会の役割の一つとして、ストレスチェック制度における実施の調査審議があります。実施は産業医師が担当しますが、衛生委員会では審議事項のテーマを取り決める必要があるのです。
審議事項のテーマ内容としては、実施目的の明確化や実施体制の構築、実施方法や実施後の情報の取り扱いについて、ストレスチェックの結果保存など運営の方法からセキュリティの観点まで、様々な内容で議論していく必要があります。
ストレスチェック実施にあたって、細部までを設定することが衛生委員会の役割であるため、詳細にわたって調査審議し、内容を事業者に決定してもらうことでストレスチェックの実施が可能となるのです。
衛生委員会は労働者の安全と健康管理を考える必要がある
衛生委員会の役割としては、ストレスチェックの運営方法を具体的にまとめるだけでなく、労働者の安全と健康管理を考える目的が課せられています。
具体的な活動としては、労働者の衛星環境や健康保持に関係する問題を調査審議し、報告や事業者に意見を述べることが主な内容です。
衛生に関する規定の作成や健康診断などの計画も作成する必要あり、それに伴う結果からの対策立案も衛生委員会の役割になっています。
衛生委員会でやってはいけないこと
労働者の安全と健康を考える上で設置される衛生委員会ですが、運営する上でやってはいけないことがあります。それは産業医師の負担が大きくなるようなことを行うということです。
具体的にどういうことかというと、基本的に衛生委員会は年間スケジュールや議事録の作成などを打ち合わせで決めていく必要があります。その際に、産業医師に議題のアドバイスを求めることは問題ありませんが、産業医師に全ての決定を委ねるようなことがあってはいけません。
あくまでも産業医師は、ストレスチェックの実施を担当するのが役割であるため、スケジュールや具体的な方針は衛生委員会が主体で進める必要があります。
全ての意見を産業医師に求めるようなことは辞めておきましょう。
まとめ
労働者が働きやすい環境を整えるために、安全や健康管理を行う衛生委員会は、実施の方法や結果の報告など、スケジュール管理を正確に行っていく必要があります。
そのため、負担がかかることもありますが、運営することは企業のためにも有益な行動に繋がるため、やりがいのある役割であるといえるでしょう。
ただ個人が特定されるような発言は禁止されているので、誰がストレスチェックの面接を受ける必要があるのかなどの話は控えることが重要です。
労働者を守るためにも衛生委員会は存在しているので、責任を持って役割を担っていきましょう。
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