ストレスチェックコラム
ストレスチェック制度の支援を産業医に依頼する際の注意点
2018/06/27
ストレスチェックは産業医の支援の元に行うのが望ましいとされています。しかし、企業ごとに「どこまでの支援を依頼するか」は、異なってくるのではないでしょうか。産業医にストレスチェックを依頼する際の注意点をまとめました。
ストレスチェックの6ステップ
ストレスチェックは2015年から従業員50人以上のすべての事業所に年1回の実施が義務付けられることとなりました。おおむね次のような6ステップにより構成されています。
- 1.ストレスチェックについての企業の方針を決める。
- 2.ストレスチェックを実施する。
- 3.高ストレス者を選定する。
- 4.高ストレス者の中で希望する人に医師の面接指導を行う。
- 5.ストレスチェックの結果を集団分析して職場環境を改善する。
- 6.労働基準監督署に報告書を提出する。
以上のような6ステップのうちいくつかは外部委託している企業も少なくありません。しかし、どこまでを外部委託するかは企業により大きく異なり、最初に方針を決めるときにしっかりと決めておく必要があります。
外部委託の際の注意点
ストレスチェックを外部委託した場合、労働者の同意がなければ企業がその結果を閲覧することはできません。ストレスチェックの結果によって人事評価することを禁止している証明でもあり、労働者としては安心してテストを受けることができるともいえます。しかし、企業としてはストレスチェックの結果を何ひとつ知ることができなくなるリスクもあります。もちろん、個別の人事評価には使わないとしても、より働きやすい職場環境を整えるのに使うこともできなくなってしまいます。
職場環境の整備はストレスチェック制度のなかでは「努力目標」であり、必ず行わなければいけないものではありません。しかし、労働者のメンタルヘルス不調を予防するには、個別対応だけでは不十分ということも多々あります。ストレスチェックの結果がブラックボックス化するのを防ぐ方法はないのでしょうか。
産業医に支援を依頼する
ストレスチェックの結果を会社が把握できなくなるのを防ぐためには、自社の産業医に支援を依頼するのがポイントとなります。ストレスチェックを外部委託するとしても、自社の産業医が共同実施者として支援できるように依頼するのです。共同実施者になれば、ストレスチェックを主に取り仕切るのは外部の実施者だったとしても、結果にアクセスすることは可能になります。厚生労働省も自社の産業医を共同実施者とするように推奨しており、検討してみてはいかがでしょうか。
産業医に共同実施者としての支援を依頼する際には、以下のような4つの役割を果たしてもらえるよう注意しましょう。
- ・ストレスチェックの質問項目、高ストレス者選定基準などに意見を述べる。
- ・結果に基づく医師による面接指導の希望状況を把握する。
- ・面接指導を受けるよう従業員に推奨する。
- ・面接指導の結果を記録し保存する。
逆にいえば、自社の産業医がこれらの支援を行うことを許可してくれるかどうかを、業者選びの際のポイントにしなければいけません。ストレスチェック代行業者にも数多くあるため、慎重に選択するようにしてみてはいかがでしょうか。
ストレスチェックを外注する企業は少なくありません。しかし、外部委託の際に注意しなければいけないのは、企業が結果をまったく把握できなくなってしまうリスクもあるという点です。そのような事態を避けるためにも、自社の産業医を共同実施者としてストレスチェックに参加させることをおすすめします。調査結果を基により良い職場環境を整えるためにも、注意するようにしてください。
まとめ
ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
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