ストレスチェックコラム
ストレスチェックの義務化をきっかけに「選任しているだけ」の産業医を見直す
2018/05/24
2015年に義務化されたストレスチェックは、医師などの法律が定める有資格者でなければ実施することができません。現在契約中の産業医に依頼するのもひとつの方法ですが、必ずしもそれが最良の選択とはいえないでしょう。逆にストレスチェックをきっかけに「選任しているだけ」の産業医を見直しませんか?
ストレスチェック実施を断る産業医
平成29年の厚生労働省労働衛生課による「ストレスチェック制度の実施状況」調査によれば、事業場がすでに選任していた産業医が実施者となった企業はわずか49.4%しかありませんでした。半数以上の産業医がストレスチェックを実施していないということです。実際に「契約している産業医に、専門外だからとストレスチェックの実施者になるのを断られた」という企業も少なくありません。
労働者のメンタルヘルスを守るためのストレスチェックは、本来ならば産業医の仕事ともいえるでしょう。しかし、それを断るというのはまさに「選任しているだけ」の、機能していない産業医ともいえます。企業側としても、一応産業医を負いて置かなければ安全配慮義務違反となり罰則金を支払わなくてはいけないという思惑もあったかもしれません。いわゆる「名義貸し」のケースに陥っているならば、ストレスチェックを機会に見直してみてはいかがでしょうか。
好ましい産業医とは
産業医とは、労働者の健康管理などを行うための専門資格を持った医師のことです。労働安全衛生規則によって2ヶ月に1回以上、作業場を巡視するように決められていますが、何ヶ月も事業場に来ない産業医もいます。企業側もただ選任しただけで安心してしまい、産業医が十分な役割を果たしていない状態を当たり前のように思っているケースも少なくありません。
しかし、ストレスチェック制度が義務化されるほど、現代は労働者のメンタルヘルスが危機的状況にある時代ともいえます。産業医としても、組織や制度の変化に柔軟に対応しながら、労働者の健康管理に熱心に取り組む姿勢が求められているといえるでしょう。
ストレスチェックも実施者を断るなどというのは論外で、事業場に最適なストレスチェックの運用を企業側のスタッフとしっかりと議論して実施できるような人材が求められています。ストレスチェックの質問項目を見直し、労働者のメンタルヘルスの実態を正確に把握し、個人への面接指導や全体的な職場環境の見直しにアドバイスできるような産業医でなければ、選任している意味がないともいえるでしょう。
産業医の見つけ方
産業医を見直した結果、新しい人を探したいとなっても、なかなか適切な人材が見つからないかもしれません。そんな時には、ストレスチェック代行業者に相談してみるのもひとつの方法です。ストレスチェック代行サービスはストレスチェックの実施と報告書作成はもちろんのこと、適切な産業医の紹介もだいたい含まれています。「産業医の選任に失敗した」という経験があるならば、なおさらこういったサービスの利用がおすすめです。
もちろん、現在の産業医に問題がないならばストレスチェックだけ外注して、高ストレス者への面接指導などは選任している産業医にまかせるという企業もあります。また、クラウドを使って労働者がスマホや携帯電話から気軽にストレスチェックを利用できるようにしているサービスなどもあり「より多くの労働者がストレスチェックに参加してくれるようになった」と、好評です。それぞれの状況に応じて利用できるのもストレスチェック代行サービスの便利なところともいえるでしょう。ぜひ、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
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