ストレスチェックコラム
ストレスチェックの実施は1年で何回行う必要があるのか?
2018/04/27
平成26年の法改正で、ストレスチェックの実施が義務化されました。ストレスチェックの実施は事業者側だけでなく、業務を行う労働者側にも負担が生じます。回数や時期については慎重に決定することが必要です。ストレスチェックを行うべき回数を、効率的なやり方とともにご紹介します。
ストレスチェックを行う頻度
事業者がストレスチェックを行わなくてはならない回数は、厚生労働省によってあらかじめ定められています。規定では、1年以内に1回です。これはあくまでも最低限の回数なので、必要であれば、1年以内に複数回実施することもできます。
ストレスチェックを複数回実施した場合は、そのうちの1回分を労働基準監督署へ報告が必要です。この報告は事業場ごとに提出するものなので、本社で結果をまとめても、報告することはできません。
ただし、同じ事業場であれば報告はまとめて行います。部署ごとに実施する時期が分かれていて、年に数回段階的に実施している場合などは、1年分の結果をまとめた報告書の作成が必要です。この場合、実施した回数は必要ありません。
また、ストレスチェックを実施する時期は、一般的にストレスが高まる繁忙期や年末を避けた方がよいとされています。通常業務への影響が少ない時期を選んで実施しましょう。しかし、各企業で設けている衛生委員会等の審議によって労使で合意を得られれば、繁忙期や年末でも実施することは可能です。
効率的に実施するには
一般定期健康診断はストレスチェックと同様、1年以内に1回の実施が必要です。ストレスチェックを同時に行うことで、受検回数を減らし、労働者の負担を軽減できます。
また、同時に実施することは、ストレスチェックの受検率増加対策にも有効です。平成29年に厚生労働省が行った実施結果によると、ストレスチェックの受検率は全体で8割以下という結果でした。事業者側には実施義務がありますが、労働者側にはストレスチェックを受ける義務が存在しないのです。
加えて、企業はストレスチェックの受検率を上げるために、受検を強要することが禁止されています。就業規則で受検を義務付けることや、受検しなかった労働者に対して懲戒処分を行う場合も同様です。少ない回数でより多くの労働者にストレスチェックを受けてもらうには、一般定期健康診断と同時に行うことが、望ましいといえるでしょう。
同時に受検する場合の注意点
2つを同時に実施することは、業務効率や受検率を考えたうえで非常に有効な手段です。しかし、あくまで別の診断であるため、同時に受検するときは両者の違いに注意してください。
まず、健康診断とストレスチェックでは結果の通知方法がそれぞれ異なります。健康診断の場合は、受検者と事業者の両方に通知が来ますが、ストレスチェックの通知は受検者本人宛てのみです。事業者が結果を知りたい場合、受検者の同意を得る必要があります。
また、問診票にも配慮しましょう。同時に実施するときには問診票を分けて記入します。これは、目的の異なる2種類の診断を受検することについて、あらかじめ労働者側に明示しておかなければならないためです。厚生労働省では具体的な方法として、問診票を別紙にして分けるか、同じ紙の場合でも切り離すことを推奨しています。
そのほか、実施者が決められていることにも注意が必要です。ストレスチェックは事業者が指定した実施者でないと受検することができません。従業員個人的なかかりつけ医など、指定以外の実施者で受けるための手続きが存在しないからです。たとえ正当な診断内容だったとしても、その従業員はストレスチェックを受検したことになりません。
まとめ
ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
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