ストレスチェックコラム
ストレスチェック後、自ら面接指導を希望する労働者にはどのような対応をすべきか
2018/03/30
ストレスチェックでは検査そのものと同じぐらい面接指導が重要です。労働者がうつ病などの深刻な状況に陥るのを未然に防ぐためにもしっかりと行わなくてはいけません。面接指導を希望する人、希望しない人にそれぞれどのような対応をすべきなのでしょうか。
高ストレス者と認定されたら
ストレスチェックに対して「人事評価に影響があるのではないか」と不安に思う労働者は少なくありません。実際は人事評価と何ら関係がないばかりか、人事権のあるスタッフは検査結果を閲覧できないよう定められているほどです。周知につとめてもなかなか心配を払拭できない時には、委託業者を利用していて会社サイドの人間はかかわっていないことをアピールするのもひとつの方法といえるでしょう。
そのように徹底した情報管理の下で行われるストレスチェックなので、高ストレス者として認定されたとしても直接本人に通知が行くだけで会社側に連絡が入ることはありません。さらに、医師による面接指導をすすめられる場合もありますが、これも本人への直接通知となっています。
面接指導は希望制
面接指導の勧奨を受けた労働者は、希望する場合には1ヶ月以内に申出をしなければいけません。申出を受けた医師も同じく1ヶ月以内に面接指導を実施する義務があります。このように面接指導は希望制で労働者に強制するものではありません。
しかし、希望しない人でも重大なメンタルヘルスの危機に直面している場合もあります。日頃から、面接指導を受けることには何らマイナスがないばかりかプラスしかないことをアピールしておくようにしましょう。また、高ストレス者と判定された人全員にセルフケアに関する冊子を配布するなどして、現在のストレスを解消する手法やこれからストレスを抱えないようにする方法などを、さりげなく伝えてみてください。
人事的な対応が必要な場合
希望者に面接指導をした結果、配置転換などの人事的な対応が必要と見なされる場合もあります。このようなケースでは、基本的に人事部や上司に知らされることのないストレスチェックの検査結果が医師から伝えられることになるでしょう。メンタルヘルスという極めてデリケートな個人情報になるので、取り扱うことになったスタッフは守秘義務を負います。けっして口外したりしないように細心の注意を払うようにしましょう。また、その結果によって人事評価を下すことのないよう、データの取扱には十分気をつけてください。
以上のような面接指導は厚生労働省のガイドラインによれば産業医が実施するのが望ましいとされています。嘱託の産業医がいれば問題ありませんが、これから探さなくてはいけないという時にはストレスチェック委託業者に相談してみるのも良いでしょう。数多くのストレスチェックを手掛けてきた委託業者だからこそ、独自の産業医ネットワークも構築しています。その会社にもっともふさわしい産業医を見つけてもらえるのではないでしょうか。
ストレスチェックの後は個人への面接指導だけではなく、職場環境を改善することにも注視していきましょう。一人ひとりがストレスに対して自覚的になりセルフケアする方法を学ぶのも大事ですが、やはり、会社全体の環境をストレスフリーにしていくことも大事なのです。ライフ・ワーク・バランスの整った労働環境を作るためにも、ストレスチェックは大いに利用できます。うつ病などで貴重な人材を喪失してしまうことは会社にとっても大きな損害です。未然に防いでますます業績をアップさせるためにも、ストレスチェックと医師による面接指導を有効活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
こころの保健室は、ストレスチェック機能を兼ね備えたメンタルヘルスに特化した自社専用の保健室を、インターネット上に開設できるASPサービスです。
厚生労働省の指針や法令にそった取り組みに必要な仕組みを、簡単かつ体系的に創り上げることができます。メンタルヘルス対策に必要な多彩な機能を備えており、細部にわたるカスタマイズで、限りなく自社に最適な保健室を創り出すことができます。
新着コラム