ストレスチェックコラム
ストレスチェックで面談指導が必要な対象者が次にしなければならない事
2018/03/28
ストレスチェックは単に実施しただけで終わりというものではありません。「高ストレス者」と判断された対象者に面接指導を案内するなど、メンタルヘルスの改善に向けて具体的なアクションを起こすことにこそ意義があるのです。ストレスチェック実施後の注意点などについて解説します。
高ストレス者とは?
各社で配布するストレスチェックの質問票はとくに指定があるわけではありません。ただし「ストレスの原因に関する質問項目」「ストレスによる心身の自覚症状に関する質問項目」「労働者に対する周囲のサポートに関する質問項目」が必須とされています。つまり、ストレスの原因はもちろん、本人の自覚や周囲の対応がどうなっているのかという点も重要なのです。
ストレスチェックの質問票は医師などの実施者が回収して分析します。ここで、ストレスを抱えているという自覚が強い人、自覚があるにもかかわらず周囲にきちんとサポートされていない人が高ストレス者として選別されるのです。高ストレス者となったことは実施者から本人に直接通知されるのみという点に注意しましょう。人事部に自動的に知らされるようなことはありませんし、まして、人事評価に利用するといったことは一切できないのです。
高ストレス者への面接指導
高ストレス者のなかでもとくに医師による面接指導が必要と判断されるケース場合にも、その旨は会社を通さずに実施者から本人に直接通知されます。しかし、この通知を受けたからといって必ず医師の面接指導を受けなければいけないということはありません。労働者からの申出があった場合のみ、面接指導が実施されるのです。
もし、面接指導が必要とされる対象者となったならば、次にしなくてはいけないのは1ヶ月以内に面接指導の申出をするかどうか決めることです。もし、申出を受けたならば事業者は1ヶ月以内に面接指導を行わなくてはいけません。メンタルヘルス不調のリスクは放置期間が長いほど高くなるので、このようにスピーディーな対応が求められているともいえるでしょう。
面接指導は厚生労働省の「ストレスチェック制度実施マニュアル」のなかでも産業医が実施するのが望ましいとされています。専属または嘱託の産業医がいないという中小規模の会社ならば、ストレスチェック代行業者に産業医を紹介してもらうのも良いでしょう。いずれにせよ、検査結果が出た後は迅速な対応が必要なので、結果が出る前に目星をつけておくことをおすすめします。
面接指導のための準備
面接指導ではメンタルヘルスチェックの結果だけではなく、高ストレス者と判断されるに至った時期にどのような働き方をしていたかという点も参考にされます。そのため、事業所としてはストレスチェック実施前1ヶ月間の労働時間・労働日数・業務内容、職場巡視による職場環境に関する情報、定期健康診断等の結果などを準備しておかなくてはいけません。
面接指導を行った医師は必要に応じて対象者に医学上の指導も行います。現在抱えているストレスに対処する方法や、今後もストレスに気づき予防できるように導くのです。状況によっては専門の医療機関を紹介して受診を促すこともあります。
以上のような面接指導の後は、医師または事業所が指導記録を5年間保管する決まりがあります。メンタルヘルスというデリケートな個人情報なので、保管には細心の注意を払わなくてはいけません。もちろん、無制限に情報を公開することは厳禁です。ただし、面接の結果、何らかの就業上の措置が必要と判断された場合などは、対象者の上司に報告する例もあります。いずれにせよ、けっして人事評価のためではなく、ストレスフリーなより良い職場環境を実現するために活用しなければいけない点に留意してください。
まとめ
ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
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