ストレスチェックコラム
ストレスチェックの通知をする際に気をつけなければならない人事の対応とは?
2018/03/22
ストレスチェックは検査をするだけで終わりではありません。その結果を社員に通知して、メンタルヘルスに対して自覚的になるように促すまでが人事の役割といえます。結果通知の際の対応として、人事としての注意点にはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は結果通知の際に注意するべき点やその後の対応についてご説明します。
高ストレス社員とは
ストレスチェックを行った後に、特に注意しなければならないのは高ストレスの診断された社員への対応です。そうとも自覚していない可能性もある本人に、高ストレスと結果を通知するのはかえって良くない結果を招きかねません。それにはまず、高ストレスとは何か、正確に理解することが大切です。
高ストレスとはどのように定義されるのでしょうか。
厚生労働省が定める高ストレス者の得点に従う方法です。基本的に全社員の10%程度が高ストレス者になるように決められた基準ですが、ストレスフルな職場では20%以上をマークすることも珍しくはありません。
詳しくは関連記事の【ストレスチェックによって「高ストレス者」として選定される基準とは】を併せてお読みください。
面接の同意がある場合
ストレスチェックを実施する前に、人事は社員の高ストレス者との結果がでた場合は面接指導することに同意するか否かを問わなければなりません。
同意を得た場合はまず、産業医の訪問日を通知して、社員の都合の良い日と擦り合わせて面接指導を行うようにしてください。
ストレスチェックの結果だけではなく、人事が管理している勤怠記録や上司からの報告などと合わせて総合的な指導をすることによって、メンタルヘルスをより健康的な方向へ導くことができるでしょう。
面接の同意がない場合
ストレスチェック前に、たとえ高ストレス者という結果が出たとしても、面接指導を受けることに「同意しない」という人もいます。
このグループが最もメンタルヘルス不調を訴えやすいというデータもあります。決して放置したままで良い存在ではないのです。
個別に面接指導をするのが難しいならば、高ストレス者と見なされた社員全員にセルフケアに関するパンフレットを配布するという方法もあるでしょう。高ストレス者であることを必要以上に通知しない方が、その後のメンタルヘルスを健全な方向に導くケースもあります。
面接指導に同意しない高ストレス者に向けての対応方法が以下のような記載があります。
(勧) ストレスチェックによって判定された高ストレス者には、なるべくストレスチェックの面接指導を受けるように進める。
(勧) 面接指導と並行して、それを希望しなかった高ストレス者に対する相談活動を行うことによって、面接指導の件数も増えるという相乗効果も期待しうる。したがって、その相談活動も前向きに検討されるべきである。
>>出典:「ストレスチェック制度における医師による面接指導のヒント集」
(相談対応)
○ 医師による面接指導を希望する旨事業者に申し出た場合、ストレスチェック結果が事業者に提供されることなどから、高ストレスであり面接指導が必要であると評価されても申出を行わない労働者もいると考えられます。
このため、面接指導の申出という正式な手続き以外でも、日常的な活動の中での産業医による相談対応のほか、気軽に保健師、看護師、精神保健福祉士や産業カウンセラー、臨床心理士等の心理職等に相談できる窓口を用意し、高ストレス者が放置されないよう取り組むことが大切です。
○ 相談対応の中で保健師等が情報を把握した場合については、産業医と連携しつつ対応することになりますが、原則として労働者本人の意向に沿って情報の管理・提供がなされる必要があります(事業者に提供する場合には本人の同意が必要です)。
>>出典:厚生労働省 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル
さらに問題なのは極めて稀なケースですが自傷、他傷の恐れがあるなど、できるだけ迅速な対処が求められている時です。主治医との連携を強化して、どのようにストレスチェック結果を通知するのか、その後の対応はどうするのか等さらにしっかりと詰めていかなくてはいけません。
高ストレス者と判定された社員に関しては、より慎重に接することが大切です。難しい問題にも数多く携わってきた、ストレスチェック代行業者に相談してみるという方法もあるので、事態が深刻化してしまう前にぜひ相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
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