ストレスチェックコラム
ストレスチェック実施にあたって人事担当が直面する課題と対応策
2017/11/27
ストレスチェック制度は、企業にとって大きな課題です。企業の経営を左右するほど、従業員の健康は重要です。そのため、企業の人事部では、メンタルヘルスの問題と真剣に向き合う必要があります。
本記事では、ストレスチェックの実施にあたり、人事担当が直面する課題や対応策について紹介します。
企業にストレスチェックが課される理由
ストレスチェック制度は、2015年12月から実施されました。
今までの長い歴史の中でも、長時間残業などの労働問題は社会問題視されてきました。しかしながら、国の対応は消極的なものでした。
国を動かし、事業所に対するストレスチェック制度の義務化に至った背景。それは、メンタル不調者の顕著な増加です。さらに、最高裁判所が、労働災害を事業所の管理監督責任と認めたことも理由の一つでしょう。
>>出典 こころの耳
図のように、精神障害の労災補償の請求件数、認定件数、自殺者数は、年々増えています。加えて、
日本は、諸外国と比べ、働き盛りの若い世代のメンタル不調の割合が高いという特徴があります。
こうした背景を国は重く捉え、厚生労働省が2000年に「>>事業所における労働者の心の健康づくりのための指針」を発表しました。続いて、2006年には、「>>労働者の心の健康の保持増進のための指針」が発表。労働者へのメンタルヘルス対策が社会的に事業所に求められるようになりました。そして2015年12月のストレスチェック制度で、労働者へのストレスチェックと面接指導の実施が義務化されました。
ストレスチェック実施における事業所の課題
事業所がストレスチェックを実施するうえでの課題は、労働者のメンタル不調を未然に防ぐことです。さらに、事業所全体に対して、ストレスチェックへの意識を高めることも目的の一つです。
しかし、この新制度に上手く対応できている事業所は、現状多くありません。むしろ、ストレスチェック制度の対応に苦心している事業所のほうが多いのです。
大手人材サービス業者が、事業所のストレスチェックの責任者にメンタルヘルス対策で悩んでいることを調査しました。すると、休職者の増加が最も多い結果となりました。次に多かったのが、従業員の生産性や士気の低下。さらに、メンタルヘルスについての誤解・偏見の顕在化などの問題も挙げられました。
精神障害などによる労災認定が厚生労働省に報告された件数も、2000年からの2016年の間に約14倍に増えました。
メンタルヘルス不調に関する労働者への対策は重要課題となっているのです。
ストレスチェック後に人事担当者が取り組むべき対策
厚生労働省による調査で、33.6%の事業所が>>こころの健康づくり計画の対策をしていると回答しています
こころの健康づくり計画は、以下4つのケアを継続的かつ計画的に行うプランです。
① セルフケア
② ラインによるケア
③ 事業所内産業保健スタッフ等によるケア
④ 事業場外資源によるケア
この計画は、厚生労働省が企業に対して策定を推進しているものです。年々、この計画の認知度が上がっているのは、すばらしいことです。
しかしながら、実際に働き方改革に関する活動をしていると回答した事業所は、44.9%にとどます。
>>出典 厚生労働省『労働経済動向調査(平成29年11月)の結果』
厚生労働省では、働き方対策を重要課題と位置づけており、事業所には積極的な対策が求められています。すでに対策を実施している事業所では、「残業削減」が最も取り組まれている対策です。さらには、ノー残業・早帰りデーの設定、フレックス制度の導入なども積極的に取り入れられています。
人事担当者は、ストレスチェックの実施に加え、結果をもとにした労働環境の改善も行う必要があります。ストレスチェック実施後、スムーズな対応をとれるように、入念な準備をしておく必要があるでしょう。
まとめ
ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
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