ストレスチェックコラム
ストレスチェックの無料診断を利用する際の注意点
2017/10/13
ストレスチェックは、厚生労働省が提供しているストレスチェック実施プログラムを利用すると、簡単に無料診断できます。厚生労働省が監修しているため、最も簡易的で、規定に沿ったものといえます。ストレスチェックの導入を検討している事業者も、安心して使えるでしょう。しかし、ストレスチェックを行う際、注意すべき点があります。
効率的にストレスチェックを実施するコツをご紹介します。
厚生労働省の無料ストレスチェックのメリット
厚生労働省が提供するストレスチェックは、費用を抑えてストレスチェックをしたい事業者向けの選択肢の一つです。質問事項や内容が法令に即したものになっており、漏れなく確実に実施することができます。また、初めてストレスチェックを導入する担当者のために、様々なツールを備えています。
① オンラインでストレスチェックを受けられる機能
② 対象となる従業員が受検しているかを確認する機能
③ 設定した高ストレス者判定基準に沿った対象者を抽出する機能
④ 設定した任意の集団ごとにストレス状況を把握し、分析する機能
⑤ 労働基準監督署に対する報告情報を表示する機能
厚生労働省のストレスチェックプログラムは、充実した機能と法令にのっとった確実な内容で実施することができるのです。
■無料ストレスチェック実施にあたっての注意点
厚生労働省の無料ストレスチェックを実施する際、注意点が2つあります。
1つ目は、ストレスチェックの実施者の選定です。
実施者の役割
実施者は、ストレスチェックの実施に当たって、当該事業場におけるストレス
チェックの調査票の選定並びに当該調査票に基づくストレスの程度の評価方法及
び高ストレス者の選定基準の決定について事業者に対して専門的な見地から意見
を述べるとともに、ストレスチェックの結果に基づき、当該労働者が医師による
面接指導を受ける必要があるか否かを確認しなければならないものとする。
なお、調査票の回収、集計若しくは入力又は受検者との連絡調整等の実施の事
務については、必ずしも実施者が直接行う必要はなく、実施事務従事者に行わせ
ることができる。事業者は、実施の事務が円滑に行われるよう、実施事務従事者
の選任等必要な措置を講じるものとする。
(ストレスチェック指針より抜粋)
>>出典 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル
平成27年4月22日公表>>出典 改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する説明会資料
ストレスチェックの実施者は、医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護士・精神保健福祉士の中から選定しなくてはなりません。専門業者のASPサービスを利用した場合は、ストレスチェック実施者の人材紹介サービスを受けることができます。
しかし、厚生労働省のシステムを利用する場合は、人材を確保しなくてはなりません。実施者の確保のみ、業者に依頼することもできますが、費用がかさむ場合があります。
2つめは、システム環境です。
ストレスチェックプログラムの推奨環境に沿ったOSを使用していない場合、導入が難しくなります。システム環境を整えるための、システム担当者が欠かせないのです。中小企業の中には専門のシステム担当者がいないことも多く、環境整備に時間がかかる可能性があります。
このように、厚生労働省の無料ストレスチェックを導入する環境が整っているか、考える必要があります。無料だからと安易に導入すると、逆に費用がかさんだり、正しい結果を得ることができなくなってしまうこともあります。ストレスチェックは利用を継続してこそ、意味のあるものです。
長い目で見て、最も使いやすいツールを用意するのが良いでしょう。
ストレスチェック後のフォロー体制も万全に
「正しい状況把握によって高ストレス者をフォローし、職場環境を改善すること」
これこそが、ストレスチェック制度の意義です。
厚生労働省の無料プログラムによって結果を得ることが、ゴールではありません。その後の対応まで、綿密に計画を立てておく必要があるのです。
平成27年4月22日公表>>出典 改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する説明会資料
図のように、ストレスチェック制度には、実施から改善までには大きな流れがあります。
専門業者に依頼した場合、自社にストレスチェックのノウハウがなくても一連の流れをリードしてくれます。フォローアップの依頼先も業者主導で進めてくれるので、安心です。
無料ツールの場合、コスト削減になりますが、自社で整えるべき体制が多い点に留意する必要があります。業者に委託するのか、自社主導で導入するのか、しっかり見極めて判断しましょう。
まとめ
ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、
ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
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