ストレスチェックコラム
過重労働や健康障害にストレスチェック制度でメンタルヘルス対策
2017/10/12
過重労働は、人材不足の中小企業を中心として大きな問題となっています。労働者の健康障害をもたらし、場合によっては訴訟問題になることも。経営者側と労働者側、双方ともにデメリットしかありません。
会社経営の成功には、ストレスチェックの導入が重要な役割を果たすのです。
過重労働の目安とそのリスク
過重労働の危険水準は、月100時間または2~6ヶ月平均で月80時間を越える時間外労働です。(厚生労働省の『過重労働による健康被害を防ぐために』参照)
月45時間以内が、時間外労働時間として望ましいとされています。
重要なことは、経営者が労働者の労働時間を明確に把握しているかどうかです。
全社員の打刻の記録をしっかり取っていますか?労働時間の申告漏れはありませんか?
正規雇用者だけでなく、非正規雇用者、派遣社員、裁量労働制の労働者も同様です。雇用形態の違いはあっても、労働時間に対する考え方は変わりません。
過重労働に対する考え方や水準が厳しいのは、深刻な健康障害が危惧されているからです。
労働者側は、精神的な病になるリスクがあります。長時間労働による疲労の蓄積によって、うつ症状になることもあります。うつ症状が続けば、その後のキャリア形成にも関わる重要な問題になってしまいます。
経営者側には、労働力を失うリスクがあります。加えて、万が一労働者がうつ病などの精神的な病になった場合、訴訟問題に発展する可能性もあります。
厚生労働省の『>>長時間労働の削減に向けて』では、労働基準監督署によって、違法な長時間労働が認められた送検事例が紹介されています。
過重労働は、人命にも関わる重大なこととして認識する必要があるのです。
過重労働に対する企業のストレスチェック制度
>>出典 こころの耳
ストレスチェック制度は、深刻なメンタルヘルス問題を背景として作られたものです。
精神障害の労災補償の請求件数の増加やその支給件数が過去最高になるなど、過重労働者が年々増加しているのです。(>>出典 平成28年度「過労死等の労災補償状況」)
定期健診や産業医による保健指導は、過重労働や健康障害を防止するために企業が課される対応です。ストレスチェック制度は、健康障害の早期発見という点で、従来の措置を補完する役割を担っています。
平成27年4月22日公表>>出典 改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する説明会資料
企業のストレス対策としては、3段階の予防対策が提唱されています。
ストレスチェック制度は、1次予防にあたります。これは、メンタル不調の未然防止と健康増進を目的とした予防です。2次予防は、実際に不調がみられる人の早期発見とその対応です。3次予防は精神不調の症状を発症した人のフォロー、職場復帰支援、そして再発予防が目的です。
過重労働、健康障害を防止するには、どの段階の予防対策の導入も重要です。
過重労働がすでに慢性化している企業ほど、早急に導入検討が必要でしょう。
ストレスチェック制度の導入までの流れ
ストレスチェック制度を導入するためには、まず衛生委員会の設置、運用が求められます。
これは、労働者の健康障害を防ぐための対策、健康増進への重要決定権がある組織です。労働安全衛生法第18条で、労働者が50人以上を越える事業所には設置義務が課されています。
衛生委員会は、会社の人事部、総務部など単一部署だけではなく、あらゆる関係者を招集して構成されます。過重労働に対する専門的知見を持った人材も含まれ、客観的な目を持って労働者を守る体制を整えることができます。
また、ストレスチェック制度を導入し、実施する際は、労働者の同意が必要です。
これは、労働者と経営者の双方に、過重労働に対する考え方を良い方向へ変えることが目的です。過重労働に対して、労働者の意識が変わることで、会社全体の働きやすさにもつながります。
ストレスチェック制度の導入によって、風通しが良い働きやすい職場に変わるのです。
まとめ
ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、
ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。
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