ストレスチェックコラム
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ストレスのチェックを行わないとどうなる?

2017/9/14

ストレスのチェックを行わないとどうなる?

ストレスチェックを実施しないことについての罰則はありません。しかし、間接的に労働安全衛生法や安全配慮義務違反の可能性が出てきます。ストレスチェックを行わないことでどんな罰則があるのか解説します。

ストレスチェック未実施の場合、罰則を受ける可能性がある

ストレスチェックが義務付けられているのは、常時、労働者が50人以上いる事業所です。
年に1度ストレスチェックを行う必要性があります。ストレスチェック実施後は、労働基準監督署に所定の形式でストレスチェックや面接指導の状況について報告する必要があります。
この報告を怠った場合、労働安全衛生法第120条に違反することになります。また、ストレスチェックで虚偽報告を行った場合も同様です。

次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
五 第百条第一項又は第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者

違反することで最大50万円の罰金の支払い義務が課されます。さらに、守秘義務関連でも罰則があります。ストレスチェックや面接指導で知った労働者の秘密は、労働安全衛生法104条で漏らしてはいけないことになっています。

第百四条 第六十五条の二第一項及び第六十六条第一項から第四項までの規定による健康診断、第六十六条の八第一項の規定による面接指導、第六十六条の十第一項の規定による検査又は同条第三項の規定による面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはならない。

違反すると6ヶ月以下の懲役や、50万円以下の罰金の支払い義務が課されます。ストレスチェックを実施するのは「医師や保健師、その他厚生労働省が定める者」です。しかし、実施者に指示されて事務などを行う人も、ストレスチェックの結果を見ることができます。守秘義務が課せられているため、もし違反をすれば守秘義務違反による罰則が適用されるのです。

労働者のプライバシーを守る義務がある

ストレスチェックの結果の共有にも注意が必要です。例えば、ストレスチェックで集団分析を行うとしましょう。労働者の状況を把握するため、事業内で結果を共有したり、就業上、必要な範囲を越えて上司や同僚間で共有することも禁止です。もちろん、ストレスチェックの関連した労働者の秘密を不正に入手することも固く禁じられています。

厚生労働省が発行する「ストレスチェック制度導入マニュアル」にも以下の通りに記載されています。
○ 事業者がストレスチェック制度に関する労働者の秘密を不正に入手するようなことがあってはなりません。
○ ストレスチェックや面接指導で個人の情報を取り扱った者(実施者とその補助をする実施事務従事者)には、法律で守秘義務が課され、違反した場合は刑罰の対象となります。
○ 事業者に提供されたストレスチェック結果や面接指導結果などの個人情報は、適切に管理し、社内で共有する場合にも、必要最小限の範囲にとどめましょう

基本的に企業労働者に対して安全配慮義務を負っていることを忘れてはいけません。安全衛生法は職場における労働者の安全や健康の確保、快適に働ける職場環境を作ることを促進するための法律です。労働者を危険な環境から守るためにも必要なものですが、同時に労働環境により生まれる健康障害から守るためのものでもあります。そのため企業は労働者の体だけではなく心の健康を守る責任を負っているのです。

労働者のプライバシーを守る義務がある

ストレスチェックを受けない労働者の罰則はある?

労働者の中にはストレスチェックを拒否する方もいるでしょう。会社としては困るのですが、ストレスチェックを拒否する労働者に対しての罰則はありません。健康診断と違い、ストレスチェックは労働者に対し受けなければならない義務を規定していないからです。

ストレスチェックに関して、労働者に対して受検を義務付ける規定が置かれていないのは、メンタルヘルス不調で治療中のため受検の負担が大きい等の特別の理由がある労働者にまで受検を強要する必要はないためであり、本制度を効果的なものとするためにも、全ての労働者がストレスチェックを受検することが望ましい。

以上の通り、メンタルヘルスの不調や心療内科に通っていることを秘密にしている人もいるでしょう。そうした方に対してストレスチェックを強引に行うことは、精神的な負担を強いることになります。しかし、事業者は労働者全員にストレスチェックを受ける機会を提供する必要があります。
ストレスチェックを受けたくない労働者に対し、「ストレスチェックはしておいたほうが良い」と勧奨することは問題がありません。そのためにはストレスチェックを受けない人を特定する必要があります。この場合、ストレスチェック実施者から、ストレスチェックを受けない労働者は誰なのか情報を得る際、その労働者の同意を求める必要はありません。

まとめ

ストレスチェックは、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設されました。

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