ストレスチェックコラム
ストレスチェックコラム

【2028年4月施行】50人未満の事業場もストレスチェック義務化|早期準備ロードマップ

投稿日

【2028年4月施行】50人未満の事業場もストレスチェック義務化|早期準備ロードマップ

従業員50人未満の事業場を対象としたストレスチェックの義務化について、施行日が2028年(令和10年)4月1日と定められました。「2028年4月までにすべて終わらせなければならないのか」と不安に感じる担当者の方もいるかもしれませんが、初回の実施は施行後1年以内に完了すればよいとされており、準備にあてられる時間は十分にあります。本記事では、確定した制度スケジュールと、負担を抑えながら計画的に進めるための準備ロードマップを解説します。

施行日は2028年4月1日、初回の実施完了は2029年3月末まで

これまで「当分の間、努力義務」とされてきた従業員50人未満の事業場におけるストレスチェックですが、2025年5月14日に公布された労働安全衛生法の改正により、事業場の規模にかかわらず実施が義務付けられることになりました。その後、2026年6月10日に施行期日を定める政令が公布され、施行日は2028年4月1日に決まりました。

ここで押さえておきたいのが、2028年4月1日はあくまで「スタートライン」だという点です。ストレスチェックは1年以内ごとに1回実施することとされているため、施行後1年以内、つまり2029年3月31日までに第1回目を完了すれば、法令上の要件を満たすと考えられます。

「施行と同時に全社で完了させなければならない」というわけではありません。今から段階を踏んで準備を進めれば、慌てることなく、自社に合った体制を整えられます。50人未満の事業場の義務化に至る経緯や背景については、ストレスチェック義務化の最新方針を解説した記事もあわせてご覧ください。

小規模事業場で特に重要になるプライバシーへの配慮

2026年2月に「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」が公表され、50人未満の事業場に向けた実施体制や実施方法の考え方が示されました。あわせて、労働安全衛生規則の改正(2027年4月1日施行)により、集団分析に関する留意点も整理されています。

小規模な事業場では、集団分析の結果から個人が推測されてしまうリスクが課題になります。特に10人未満の少人数グループを分析する場合は、注意が必要です。取り扱いを検討する際のポイントは次のとおりです。

  • 個人が特定されるおそれのない方法(仕事のストレス判定図など)を用いる
  • 集団ごとの人数や分析の単位を事前に決めておく
  • 取り扱いのルールを衛生委員会などで調査審議し、社内規程として定めておく

担当者と受検者の距離が近い小規模事業場ほど、プライバシーへの配慮が制度への信頼につながります。準備期間のうちに、自社に合った運用ルールを固めておくことが望ましいとされています。

早期に準備を始める3つのメリット

準備期間が十分にある今から動き出すことには、会社にとっても従業員にとっても複数のメリットがあります。

1. 自社に合った専門家(医師・保健師)をじっくり選べる

ストレスチェックの実施には、医師や保健師などの有資格者(実施者)が欠かせません。施行直前の混み合う時期を避けて早めに検討を始めれば、自社の状況や従業員のケア方針に合った実施者やサポートパートナーを、時間をかけて比較・選定できます。

2. 試行運用で社内への浸透をスムーズにできる

本番前に一度、試行運用(プレ運用)を行っておくことで、運用の流れや従業員から出てくる疑問点を事前に整理できます。社内のメンタルヘルスに対する理解も深まり、本番では質の高い受検環境を用意しやすくなります。

3. 自社に必要な体制だけを無駄なく選べる

従業員50人未満の事業場は、労働基準監督署への報告書(検査結果等報告書)の提出が求められていません。50人以上の事業場に課されるこの報告の位置づけは労基署への報告義務を解説した記事で紹介していますが、50人未満の場合は手続きの負担が比較的軽く、「従業員の健康を守る」という本来の目的に絞ったシンプルな体制を組みやすいといえます。

50人未満の事業場向けの導入ロードマップ

完全義務化に向けては、次の3つのステップで段階的に進める方法が現実的です。

STEP1:準備・検討期(2026年〜2027年前半)

法改正のスケジュールを把握し、社内の方針を検討します。あわせて、自社に合ったストレスチェックサービスや実施者(医師・保健師)の比較・選定を進めます。自社で実施するか外部へ委託するかは早い段階で方向性を決めておくと、その後の準備がスムーズです。判断のポイントは外部委託のメリット・デメリットを整理した記事にまとめています。

STEP2:試行運用期(2027年後半〜2028年3月)

社内へ制度を周知し、試行運用(プレ運用)を実施します。運用上の課題を洗い出し、案内文やマニュアルを整えておくことで、本番の負担を大きく減らせます。

STEP3:本番実施・定着期(2028年4月〜2029年3月)

施行に合わせて本格的な運用を開始します。施行後1年以内に初回の実施を完了し、その結果を職場環境の改善につなげていきます。

まとめ

従業員50人未満の事業場のストレスチェック義務化は、2028年4月1日施行、初回の実施は2029年3月31日までというスケジュールで定まりました。準備の時間は十分に残されています。

ストレスチェックの義務化は、単なる法令順守の手続きではなく、従業員の心と体の健康を守り、働きやすい職場をつくる機会でもあります。まずは自社の状況を整理し、専門家の選定や試行運用の計画づくりから、ご自身のペースで準備を進めていきましょう。

こころの保健室について

ストレスチェック義務化対応SaaS「こころの保健室」は厚生労働省の指針や法令にそった取り組みに必要な仕組みを、簡単かつ体系的に創り上げることができます。メンタルヘルス対策に必要な多彩な機能を備えており、細部にわたるカスタマイズで、限りなく企業様に最適な保健室を創り出すことができます。

機能や利用規模も柔軟にカスタマイズでき、月額50円からストレスチェックの実施が可能になります。