ストレスチェックコラム
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【徹底解説】50人未満の企業も義務化!「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」2026年度公表

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ストレスチェックは外部委託するべき?知っておくべきポイントは

厚生労働省は2026年(令和8年)2月25日、「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を正式に公表しました。これまで従業員50人未満の事業場においては「当分の間、努力義務」とされてきましたが、法改正により事業場規模にかかわらず完全に義務化されることになりました。

本記事では、新しく公表されたマニュアルに基づき、小規模事業場がいつまでに、どのような対応を行うべきかを分かりやすく解説します。

小規模事業場でも義務化される理由

小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル策定と法改正の背景には、事業場規模による健康管理の格差と、深刻化するメンタルヘルス問題があります。

  • 仕事上の強いストレスを原因とする精神障害の労災支給決定件数は増加傾向にあり、令和5年度には883件と過去最多を更新しました。
  • 50人以上の事業場ではストレスチェックの実施率が8割を超えているのに対し、50人未満の事業場では3割台に留まっています。
  • 小規模組織において労働者が長期欠勤や離職に至ることは、周囲への負荷増大やノウハウ流出といった経営上の甚大なリスクに直結します。

こうした背景から、全ての労働者がメンタルヘルスの未然防止の機会を得られるよう、規模による格差を是正する目的で制度が見直されました。

小規模事業場でも義務化される理由

スケジュールと対象者


施行スケジュール

改正労働安全衛生法は2025年(令和7年)5月14日に公布されており、以下のスケジュールで進行します。

  • マニュアル公表:2026年2月25日(厚生労働省による実施指針の提示)。
  • 周知・準備期間:2026年度〜2027年度(事業場による体制整備の期間)。
  • 完全施行期限:2028年5月13日まで(1人以上の労働者を使用する全ての事業場で義務化)。

施行期日が近づくと外部委託サービスの需要が集中し、コスト上昇や予約困難が予想されるため、早期にWeb受検ツールや外部委託先の選定を開始することが推奨されています。

義務化の対象となる労働者

対象となるのは「常時使用する労働者」です。パートタイム労働者やアルバイトであっても以下の条件を満たせば対象となります。

  • 期間の定めのない契約により雇用されている者、または契約期間が1年以上である者(更新による見込みも含む)。
  • 1週間の所定労働時間が、同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上である者。

スケジュールと対象者

50人以上事業場向け制度とのルールの違い

小規模事業場では、産業保健の専門スタッフが不在であるなどの実態に配慮し、50人以上の事業場向け制度とはいくつか異なる指針が示されています。

項目 50人以上の事業場 50人未満の事業場
(新マニュアルの指針)
産業医の選任 法的義務あり 義務なし
(外部委託や地域産業保健センターを活用)
衛生委員会の設置 法的義務あり 不要
(関係労働者からの意見聴取で代替可能)
労基署への報告義務 あり(年1回) 当面の間なし
(事務負担軽減のため免除の方向)
集団分析の実施 努力義務 努力義務
(10人未満の場合は個人特定に特段の配慮が必要)

労働基準監督署への報告義務は当面免除される方針ですが、実施そのものは法律上の義務であり、個人の検査結果などの実施記録は5年間の保存が厳格に求められます。

50人以上事業場向け制度とのルールの違い

マニュアルに沿った実施の6ステップと実務対応

小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアルでは、導入検討から事後措置に至るまでのプロセスを6つのステップに集約しています。

  • 導入の方針表明と社内ルールの策定:事業者は導入方針を表明し、衛生推進者などの関係労働者から意見を聴取して社内規程を作成・周知します。
  • 実施体制の整備と「実施者」の確保:医師や保健師等の資格を持つ「実施者」を定めます。自社に産業医がいない場合は外部サービス等を活用し、人事権を持つ者以外の「実施事務従事者」を指名します。
  • ストレスチェック(検査)の実施:1年以内ごとに1回実施します。プライバシー保護の観点から、Webシステムを用いた受検などが推奨されています。
  • 結果の通知と本人へのフィードバック:検査結果は実施者から本人に直接通知されます。本人の同意がない限り、事業者は結果を取得してはなりません。
  • 医師による面接指導の実施:高ストレス者から申し出があった場合、事業者は1か月以内を目安に面接指導をセッティングする義務を負います。
  • 医師の意見聴取と事後措置の実施:医師から意見を聴取し、就業上の措置を講じます。申し出や結果を理由とした不利益な取扱いは厳格に禁じられています。

マニュアルに沿った実施の6ステップと実務対応

小規模事業場における最大の課題「プライバシー保護」の技術

労働者数が少ない職場では、誰が高ストレス判定を受けたかなどの個人が特定されやすいという課題があります。
小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアルでは以下の技術的工夫が推奨されています。

  • 集団分析の「10人ルール」:対象集団が10人未満の場合、原則として集団分析を実施してはなりません。ただし、全員の同意を得るか、他の営業所と合算するなどの工夫で匿名性を担保することが可能です。
  • 外部委託による「情報の壁」の構築:調査票の管理や集計などの実務を外部機関に委託し、社内の人間が回答を目にしない体制を作ることが推奨されています。
  • アクセス権限の制限:Webシステムを導入する場合、事業主であっても個人の詳細結果を閲覧できないよう、権限を厳格に設定します。

小規模事業場における最大の課題「プライバシー保護」の技術

まとめ:外部リソースを活用し、効率的な体制構築を

ストレスチェックの義務化を単なる負担と捉えるのではなく、優秀な人材の定着や職場環境改善の投資として活用することが重要です。

自社単独での実施が難しい場合は、原則無料で医師による面接指導等を提供する「地域産業保健センター」の支援を活用することが現実的な選択肢となります。また、実務の手間を削減しつつプライバシー保護のルールを遵守するためには、クラウド型のWebシステムの早期導入検討が強く推奨されています。

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