ストレスチェックコラム
ストレスチェックを産業医と締結して行う場合の産業医との契約書について
2018/10/12
事業場によってはストレスチェックを行う上で、産業医を選任する義務が生じます。その際に産業医と締結するためには、どのような形で契約書を作成する必用があるのでしょうか。
産業医との契約を締結させる方法や産業医に対しての報酬などについて、細かい内容を解説していくので、参考にしてみてください。
産業医の役割とは?
産業医は企業において労働者が健康的に就業できるように、専門的な立場から指導や助言を行う存在で、ストレスチェックでは実施者として必要であれば、面接を行ったりする役割を担っています。
通常の医師のように、病気に対しての診断や処方を行うのではなく、状況に応じて労働者に医療機関を紹介することがあるでしょう。50人以上の労働者がいる事業場では、産業医を1人以上選任する必要があります。
産業医の「専属」と「嘱託」の違い
ストレスチェックにおいて重要な役割を担っている産業医は、勤務形態によって主に2種類に分けられます。「専属」と「嘱託」といった違いです。それぞれ、どのような違いがあるのか詳しく解説していきましょう。
・専属産業医
専属産業医とは事業場の専属産業医のことで、従業員の数によって雇用される人数が異なります。従業員が3,001人以上の場合は専属産業医が2名以上必要で、1,000人以上3,000人以下の場合は専業産業医が1名以上は必要です。
・嘱託産業医
嘱託産業医は専属産業医とは異なり、通常の病院勤務医や開業医の方が月に1回程度、会社に訪問する勤務形態となっています。中には複数の企業を担当していることもあるのが特徴です。
一般的に従業員が50人以上で999人以下の事業場では、嘱託産業医を1名選任していることが多いと言われています。
産業医との契約の仕方について
産業医との契約の仕方も「専属」と「嘱託」とでは異なり、専属産業医の場合は医師と会社が直接契約を行います。嘱託産業医の場合は紹介会社が間に入り、会社間との業務委託契となることが多いです。
また紹介会社に依頼したからといって業務委託契しか結べない訳ではなく、状況によっては採用支援として紹介会社が産業医を紹介した後に、医師と会社が直接契約して、専属産業医とした勤務形態になることがあります。
契約する際には契約書を取り交わす必要があり、守秘義務や安全管理、業務委託範囲など、勤務してもらう上で、必要事項を記載した契約書を用意する必要があるので、契約を締結する前に準備しておきましょう。
産業医に支払う報酬について
産業医に支払う報酬は、雇用形態や状況によって異なりますが、専属産業医の場合は週4日勤務で1,000円~1,500万円が相場と言われています。嘱託産業医は、月1回の会社訪問の契約の場合で5~10万円が相場となるようです。
企業に拘束される時間が多い専属産業医の方が支払う報酬が高いのが特徴ですが、事業場の状況を把握してもらい、親身な相談も引き受けてもらえるメリットがあります。
コスト削減を視野に入れるのであれば、嘱託産業医の方が報酬が少なくないので、どういった方針を企業が求めているかによって勤務形態は変わってくるでしょう。
まとめ
ストレスチェックを行う上で重要な役割を担っている産業医ですが、契約を行う前にどのような勤務形態でストレスチェックを行ってもらうか、事前に考えておく必要があります。
また契約書の内容についても、守秘義務や業務委託範囲など、決めておかないといけない点がいくつかあるので、契約を締結する前に事前に契約内容を精査しておきましょう。
勤務形態については「専属」と「嘱託」の2種類があるので、自社で求めている産業医はどのような形か、企業内で話し合いを進めていくことをおすすめします。
新着コラム
2018/10/12 日本の企業から海外勤務地で働いている場合ストレスチェック制度の対象者になるのか?
2018/10/12 地方拠点にストレスチェックをサポートできる専門スタッフが足りない場合の解決策
2018/10/12 取締役は対象者になるのか?取締役のストレスチェック義務について
2018/10/12 簡易版のストレスチェックでも厚生労働省の規定を満たしているのか?
2018/10/12 セルフのストレスチェック!携帯電話で簡単にできるストレスチェックとは?
2018/10/12 ストレスチェック制度を交えた衛生委員会が決めるべき審議事項のテーマ